各地の民話・伝説に見る鬼
宇和島牛鬼伝説(愛媛県)
牛鬼は、頭が牛で胴体が鬼の姿をしており、毒を吐いたり、人を食い殺したりする非常に残忍で獰猛な性格をしていました。出会っただけで人を病気に至らしめるという恐ろしい妖怪です。
宇和島地方の牛鬼伝説は、牛鬼の伝承の中でも特に知られています。
牛鬼は、宇和島地方の海岸に現れ、浜辺を歩く人間や家畜を襲っていました。牛鬼の住処は、海に通じる淵で、水が濁ると出てくるとされていました。
このため、喜多郡河辺村(現・大洲市)の山伏が退治を依頼された。
山伏は、牛鬼の出没する淵に向かい、牛鬼と対峙しました。
山伏は、ホラガイを吹いて真言を唱えたところ、牛鬼がひるんだので、その隙に山伏が眉間を剣で貫き、体をバラバラに斬り裂きました。
牛鬼が死んだときに出た血は7日7晩流れ続け、淵となりました。これは高知県土佐山、徳島県白木山、香川県根来寺にそれぞれ牛鬼淵の名で、後に伝えられています。
別説では、愛媛県に出没した牛鬼は顔が龍で体が鯨だったという。
同じ「牛鬼」の名の伝承でも地域によって著しく姿形が異なることから、妖怪研究家・山口敏太郎は、水から上がってくる大型怪獣はすべて「牛鬼」の名で呼ばれていたのではないかと述べている。
宇和島藩のお家騒動である和霊騒動を機に建立された和霊神社では、例祭として7月23日と24日に「牛鬼まつり」が行われている。