鬼の類型

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鬼の類型


 「鬼岩寺」は、静岡県藤枝市にある高野山真言宗の寺院で、神亀3年(726年)に行基によって開山されました。
 寺の名前「鬼岩寺」は、弘法大師空海が法力で鬼を封じ込めたと伝えられる裏山の巨岩・岩穴に由来しています。

 この伝説によれば、大昔、鬼岩寺のあたりに悪い鬼が住んでいて、村人を苦しめていました。
 そこへ弘法大師が通りかかり、鬼退治を引き受けました。
 大師はお不動様の像を描き、七日七夜のご祈祷を始めました。
 満願の日、ついに鬼は捕らえられ、大きな岩の中に封じ込まれました。

 その岩にはたくさんの穴が開いており、それが鬼を封じ込めたときにできた穴だとされています。以来、その岩は「鬼岩」と呼ばれ、そこにできたお寺を鬼岩寺と呼ぶようになったと言われています。

 また、鬼が鋭い爪を研いだと言われる「鬼かき岩」が残っており、手芸の上達に御利益があるとされています。
 鬼岩寺は、その後も多くの人々から信仰を集め、室町時代には、室町幕府第3代将軍足利義満と第6代将軍足利義教が富士遊覧の際に当寺に宿泊したと記録されています。
 また、寺の境内には約400基もの石塔群があり、南北朝時代から戦国時代にかけてのものであるとされています。

 この伝説は、人々が困難を乗り越え、平和を取り戻すために力を尽くした歴史を象徴しています。
 また、これらの伝説は地域の文化や歴史を反映しており、その地域の人々の信仰や価値観を理解する手がかりとなります。

鬼の正体については、この伝説では具体的には明示されていませんが、一般的には鬼は人間の欲望や恐怖、罪悪感などを象徴する存在とされています。また、鬼を封じ込めるという行為は、これらの負の感情や欲望を抑制し、自己の内面を浄化するという意味を持つと考えられます。