鬼の類型

甲州街道訪ね歩き

鬼の類型


 岩手県の起源となったとされる三ツ石神社には、鬼の手形が残っています。
 この手形は、鬼が岩に手をついて飛び降りた時にできたと言われています。
 なお、三ツ石の神は、坂上田村麻呂と同一視され、鬼は蝦夷と同一視されることがあります。

 昔、この地に羅刹鬼という鬼が住んでおり、人々に悪さをしていました。
 人々は、三ツ石という自然石に祈願しました。
 三ツ石は、岩手山の噴火時に飛んできたとされる神聖な石でした。
 三ツ石の神は、人々の祈りに応えて、鬼を三ツ石に縛り付けました。
 鬼は、二度とこの地に来ないと約束しました。その証として、鬼は岩に手形を押しました。
 鬼は、南昌山の方へ逃げていきました。その後、京都の羅生門に住み、渡辺綱に腕を切り落とされたとも言われています。

 この伝説は、岩手という地名の由来になっています。
 鬼が岩に手形を押したということから、岩手と呼ばれるようになりました。
 また、不来方という地名の由来にもなっています。鬼が二度と来ないと約束したということから、不来方と呼ばれるようになりました。
 不来方は、後に森ヶ岡、盛岡と改称されました。

 また、さんさ踊りの由来にもなっています。鬼が去ったことを喜んだ人々は、三ツ石の神に感謝し、笹で作った笠をかぶり、三ツ石の周りをさんささんさと踊りました。これがさんさ踊りの始まりだと言われています。

 この伝説は、田村麻呂伝承とも関係しています。
 三ツ石の神は、坂上田村麻呂と同一視され、鬼は蝦夷と同一視されることがあります。田村麻呂は、東北地方の平定に功績があったとされる人物です。