天狗の変遷
天狗の歴史~現代
天狗の容姿や性格は、古代から現代にかけて様々な変遷を経てきました。
天狗は、日本の口承伝承や民間文芸で数多く語られる主人公であり、絵画や彫刻、芸能などでも鬼に負けず劣らず、日本文化を象徴する重要な役割を果たしています。
現代では、天狗のイメージは、赤い顔で鼻が長く、そして高い。また、山伏姿で、高下駄を履き、手には団扇を持つなどとして一般に定着もしています。
また、烏天狗と呼ばれる鼻が高くない、鷲鼻で、羽を持つ存在も知られています。江戸時代に作られたとされる『天狗経』では、日本全国に四十八種類の天狗が存在すると記されています。
天狗の性格は、善天狗、悪天狗と呼ばれ、善をもたらす天狗もいれば、逆もあるとされています。天狗の性格形成は、古代では不可視の存在であった「鬼」や「物の怪」の性格も同様な形成変化が行われ、図像化され、新たに妖怪等に変化する過程も明らかになっています。
天狗の歴史は古代から現代までの間に多くの変遷を経てきました。
初期の天狗は「空を飛ぶ悪霊」から始まり、中世では仏教的な魔物とされ、修験道等と結びつきました。さらに江戸時代においては「娯楽的キャラクター」として定着していきました。
天狗は深山に棲息すると言われ、神通力を備え、翼があって自由自在に飛び回ることができるとされています。
また、天狗岩、天狗平、天狗岳などの地名が存在し、これらの地名は天狗の姿に似ていたことや、天狗が住んでいたとされることが名前の由来とされています。
天狗の物語やイメージは、日本の文化や社会の多様性と深さを示しています。その存在は、文学作品や漫画、映画、アニメなどのエンターテイメントから、地名や祭り、信仰などの日常生活まで、幅広い分野で見ることができます。
例えば、『鞍馬天狗』は、一九二四年から一九五九年まで三六編の作品があり、いずれも鞍馬天狗を主人公としています。
平安中期の『宇津保物語』や『源氏物語』では、神通力を使う超自然的な存在として、災厄をもたらすものとして登場します。
映画では、1969年に公開された『天狗党』や1949年に公開された『天狗飛脚』などがあります。アニメでは、『ぬらりひょんの孫』や『映画プリキュアドリームスターズ!』などに天狗が登場します。
これらの作品や現象を通じて、天狗は私たちの想像力を刺激し、文化的な対話を促進しています。
天狗の歴史
古代中国 | 凶事を知らせる彗星や流星 |
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古代日本 | 神秘的な存在 |
平安時代 | 山に住む物の怪 |
南北朝時代 | 仏敵から怨霊へ |
室町時代末期 | 神もしくは神に近い存在 |
江戸時代(山伏との同一視) | 修験道の影響 |
江戸時代(八大天狗の登場) | 各地に伝わる名高い天狗 |
江戸時代(48天狗の登場) | 全国の霊山から天狗を招聘 |
現代 | 娯楽的キャラクターに |