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神か妖怪か 天狗の総合研究Produced by 高尾通信

天狗の意義



天狗の祭り

 天狗に関連する祭りは日本全国に存在しますが、以下に具体的な例をいくつか挙げてみます。

「神明神社のお舟祭り(天狗祭り)」

 神明神社のお舟祭り(天狗祭り)は、長野県辰野町北大出にある神明神社で行われる神事です。
 この祭りは、毎年10月の第3日曜日に開催され、青竹で飾られた「お舟」から3匹の天狗がとび出し、奇声をあげながら境内を暴れまわることから、奇祭として有名です。
 
 お舟祭りのハイライトは、お揃いの法被を着た男衆が担ぐお舟が神社に入るところから始まります。
太鼓の音と掛け声が響く中、お舟が広場で回転し、その後、獅子が登場し、天狗との戯れが行われます。
 この祭りは、国譲りの和議の一部や悪魔払いの儀式としても知られています。この地に伝わる神話を再現する祭りなのだそうです。

 言い伝えでは、大昔、獅子が舟に乗ってこの地に来て、上陸しようと天狗に相談を持ちかけました。それを受けて天狗は、土地の神々を参拝し、住民とも相談した上で、その結果を獅子に伝えましたが、協議は難航しました。天狗は再度神々を参拝、住民と相談…これを3度繰り返し、三番天狗でようやく話しがまとまりました。
 獅子は上陸し、めでたく話がまとまったことを住民に告げながら踊りまわりました。
 この伝説によれば、獅子が住民に噛みついたことで、無病息災・悪魔払い・雨乞いなどの祈願が叶えられたとのこと。このような神話を伝えるのがお舟祭りなのだそうです。

 起源は文献や記録が残っておらず明確にはわかっていませんが、上伊那文化大事典によると「長治元年(1104年)神社の再建時から毎年例祭に船、傘鉾を奉献の事あり」と伝えられています。
 また、天狗の面の裏にかすかに文久3年(1863年)修繕と書かれていることから、これ以前に神事が行われていたことは確かなようです。

「下北沢天狗まつり」

 下北沢天狗まつりは、東京都の下北沢で毎年冬に開催される節分行事で、1929年頃から伝わっています。この祭りは、3日間にわたって開催され、その中でも2日目に行われる「天下一天狗道中」がメインイベントとなります。

 天下一天狗道中では、大天狗・烏天狗を中心に、山伏・福男・福女が福豆をまきながら、商店街を練り歩きます。その最後尾には、大きな天狗のお面を載せた天狗面車(高さ3m、幅2m)が従え、イベントを盛り上げます。

 また、下北沢天狗まつりの特徴として、「福は内」を3回唱えながら豆まきを行います2。「福が充満することで鬼はおのずと退散する」という考えのもと、「鬼は外」とは言わないのが特徴です。

 さらに、祭りの前夜祭として「烏天狗道中前夜露払いの儀」が行われます21。このイベントでは、夜間営業の飲食店を中心に烏天狗様が山伏の法螺貝、天狗太鼓とともに出没し、お店の中で豆まきを行います。

 この祭りは、天狗の守護神として尊敬される日本の民間伝承に基づいた節分祭で、天狗のご利益は家内安全、商売繁盛、厄除開運、合格祈願など多岐にわたります。下北沢天狗まつりは、地元の人々だけでなく、外国の観光客にも楽しまれています。

「わかやま観光 天狗まつり」

 わかやま観光 天狗まつりは、和歌山県の有田・日高エリアで行われる祭りで、その昔、火事に見舞われた興国寺を天狗が一夜にして再建したという伝説にちなんで行われます。

 この祭りは毎年1月の成人の日に開催され、特設舞台で伝説を再現する天狗の舞を奉納します。大天狗が羽うちわを振りかざしながら勇壮に舞い、大工道具を手にした烏天狗と子天狗も太鼓と鉦の音に合わせてかわいらしく踊ります。最後にはもちまきで賑わいます。

 興国寺は阪和自動車道湯浅御坊道路広川ICから約20分の場所に位置しています。この祭りは、地元の人々だけでなく、観光客にも楽しまれています。天狗の神秘的な力とその存在が人々の生活にどのように影響を与えてきたかを示す一例で、その特異な姿と神秘的な力で、人々に恐怖と敬意を抱かせ、その結果、多くの伝説や信仰が生まれてきました。

「豊前市カラス天狗祭り」

 九州地方で行われる天狗に関連する祭りとして、「豊前市カラス天狗祭り」があります。
 この祭りは福岡県豊前市の秋の一大イベントで、豊前市の修験の山「求菩提山(くぼてんさん)」に住んでいた山伏の姿をした「カラス天狗」伝説にちなんで行われます。

 豊前の特産品や市内商店の商品が販売されるほか、お祭りの人気メニューの焼きそば、たこ焼き、綿菓子などの屋台が出店され、キッチンカーも大集合します。会場内では豊前神楽や豊前天狗太鼓などのダイナミックなステージイベントが披露され、豊前市友好都市の宮城県東松島市の特設ブースは毎回大人気です。

 この祭りは、地元の人々だけでなく、観光客にも楽しまれています。天狗の神秘的な力とその存在が人々の生活にどのように影響を与えてきたかを示す一例で、その特異な姿と神秘的な力で、人々に恐怖と敬意を抱かせ、その結果、多くの伝説や信仰が生まれてきました。

「中正善寺獅子天狗舞」

 中正善寺獅子天狗舞は、新潟県上越市の中正善寺で伝わる伝統的な舞です。この舞は、伊勢(三重県)から伝わったものと言われています。一説には、戦国時代の武将上杉謙信が春日山城で、城兵の慰安と士気高揚のために演じさせたとも伝えられています。

 この舞は、獅子の舞う「悪魔払いの舞」、獅子が御幣を持ち、セリフを言いながら舞う「御幣舞」、獅子が体を玉(神の魂)にこすりつけたり、口にくわえて踊る「玉遊びの舞」、そして天狗が登場し、獅子と戦う「天狗と獅子の決闘の舞」の4つの場面で構成されています。
獅子は、霊獣として悪霊を鎮めてくれる神の使いと考えられてきました。
 しかし、中正善寺の場合、霊獣である獅子も時にはおごり高ぶるので、天狗が登場し、こらしめてしまいます。
 現在は、「玉遊びの舞」と、天狗と獅子が織りなす様子がおもしろおかしく演出され、最後に勝った天狗が太刀を振り回し、舞台狭しと舞う圧巻のクライマックスの「天狗と獅子の決闘の舞」が舞われています。
 この舞は、地元の白山神社の祭り、正月や盆、新築祝いの席などで舞われていましたが、現在は市民芸能祭や地域行事などで披露されています。昭和51年2月13日には、上越市文化財に指定されました。

天狗の意義

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