天狗の意義
相模坊天狗の伝説(香川県)
白峰山に伝わる相模坊天狗の伝説は、香川県坂出市の五色台の白峰山に残るもので、地元では「さがん坊はん」と親しみを込めて呼ばれています。
この天狗は、「保元物語」「雨月物語」「源平盛衰記」など多くの文献に登場し、日本の八天狗として名高い存在です。
相模坊天狗と崇徳上皇との結びつきは深く、崇徳上皇が亡くなってから、ひたすら院の霊前につかえ霊を慰め、白峰の霊域を守護し、今も守り続けているとされています。
相模坊天狗は元々神奈川県の丹沢相模大山に棲んでいました。
この天狗は日本の八天狗に数えられ、相模大山の相模坊が崇徳上皇の霊を慰めるために四国の白峯に行ってしまったため、相模大山に移り、富士講の人々に信仰されたと言われています。
室町時代の初め、相模坊道了という僧が勧学院書院で密教の修行をしていたとき、ある夜、突如として天狗となり、書院の窓から飛び出し、この杉の上に止まり、やがて朝になるや東の空に向かって飛び去りました。
道了ははるか小田原(神奈川県)まで飛び、降りたところが大雄山最乗寺であったといいます。
道了は五百人力と称され、験徳著しく村人から慕われ、最乗寺の道了尊堂に祀られています。また、道了の修行していた勧学院には「天狗の間」があり、いまも最乗寺では道了尊を偲び当寺に参詣されています。
話を戻して、坂出市大屋冨町の「相模坊社」では、毎年2月と4月に地元では「鼻の市」と呼ぶ例祭が催され、木像がご開帳されるなどして、大勢の参拝者でにぎわってきました。この歴史に彩られた相模坊天狗をキャラクターとした街づくりイベントができないものか、と坂出市と地元の松山地区がスクラムを組んで始めたのが2月の第2土、日曜日に開催される「坂出天狗まつり」です。
「坂出天狗まつり」では、テングウオークや相模坊まつりなどが行われるほか、名物「天狗うどん」の販売があります。
特にマラソンはここ数年、中四国を中心に全国から千人を超えるランナーが参加、健脚を競っています。
また、天狗にちなみ、地元特産の金時ニンジン、シイタケ、ダイコンなど十種類の具を炊き込んだ白みそ仕立ての特製うどんで、寒風にさらされるランナーの心も体も温めています。
天狗の伝説
仙境異聞 | 天狗の世界に行った少年 |
---|---|
天狗の羽うちわ(秋田県) | 鼻が伸びる不思議な団扇 |
竹山神社の天狗伝説(鹿児島県) | 法螺の音が鳴り響き |
求菩提山のカラス天狗(福岡県) | 火を鎮める水の神 |
相模坊天狗の伝説(香川県) | 上皇の霊を慰める |
石鎚山の天狗伝説(愛媛県) | 四国の最高峰に君臨する |
最乗寺の天狗伝説(神奈川県) | 近江の 三井寺から飛んできた |
大山のカラス天狗伝説(鳥取県) | 人間に驚かされる天狗 |
愛宕山の天狗修行(茨城県) | 天狗の修験道場 |
天狗の喧嘩(奈良県) | 物を投げ合う大喧嘩 |
大洞山の天狗様(岐阜県) | 自由気ままな酒好き天狗 |
高尾山の天狗伝説(東京都) |
道普請までお任せあれ |
紀州の空神伝説(和歌山県) | 白衣を着て飛び回る天狗 |
上伊那郡のハテンゴ(長野県) | 怠け者は要注意 |
飯能の天狗伝説(埼玉県) | 明かりをともして助けた天狗 |
夜泣きイチョウ(石川県) | 大声で泣く天狗 |
願いの叶う天狗の滝(大分県) | 願いをかなえる天狗の力 |
小笠山の天狗囃子(静岡県) | お囃子の音に天狗の姿 |
天狗の連れ去り(静岡県) | 連れ去られた子どもの運命は |
伊予ケ岳の天狗(静岡県) | 神通力をなくした天狗 |
天狗のいけにえ(福島県) | 連れ去られた子ども追いかけて |
天狗の詫び証文(静岡県) | 二度と悪さはしませんと |
天狗にさらわれた少年(静岡県) | 天狗たちに囲まれた少年の運命は |