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神か妖怪か 天狗の総合研究Produced by 高尾通信

天狗の意義



天狗の詫び証文(静岡県)

 佛現寺(ぶつげんじ)は、伊東市街が見渡せる小高い場所に位置し、伊東温泉七福神めぐりの一つとして知られています。本堂には毘沙門天王が祭られており、開運厄除けに御利益があるとされています。

 この寺院には「天狗の詫び証文」という巻物が保管されています。 
 この巻物は長さ約3m、幅約30cmで、178行、2900余字の難解不読の詫び状が書かれています。
 現在まで一字たりとも解読されておらず、神代文字説や霊界文字説、はたまた密教教典説まで飛び出し興味は尽きません。

 この詫び証文には以下のような伝承が残されています。
 伊東から中大見村冷川に通じる二里余りの山道の途中に、柏峠があります。
 万治元年(1658年)頃、この柏峠に天狗が現れ、多くの旅人が難儀していました。
 また、天狗は村人の畑に立ちっては荒らしまわり、人々を大変困らせていました。
 その話を聞いた住職の日安上人はその天狗を懲らしめようと、単身柏峠に乗り込んでいきました。
 怪力無双と言われた上人は天狗を見つけると、いきなり3尺もの長い鼻を両手で掴むと捻り倒したのである。驚いた天狗は老松に飛び移ると、一陣の風と共に逃げ去ってしまったのです。

 数日後、きこりを呼んで老松を切り倒そうとすると、天が曇り一陣の風に老松が地響きをたてて倒れたのと同時に巻紙が舞い落ちてきました。
 何が書かれているかは判らないが、おそらく上人の怪力に恐れ入った天狗が、二度と悪さをしないと誓った内容がしたためられているのだろうということで「天狗の詫び証文」と呼ばれるようになったのです。

また、佛現寺には「天狗の髭」という、天狗にまつわる寺宝がもう1つあります。佛現寺ゆかりの人物が所蔵していたが、天狗の祟りを恐れて「天狗の詫び状」のある佛現寺に寄進されたものです。
 この髭には「オン・アビラ・ウンケン・ソワカ」との呪文が記された書き付けが伴せて伝えられています。
 この呪文は「髭占い」の呪文で、天狗の髭を前にこれを3回唱え、髭の根本が動けば凶、先が動けば吉であるといいます。

 詫び証文も髭も一般には公開されていません。
 その代わり伊東の和菓子屋である玉屋で作られている「天狗詫状」という羊羹が売られており、その包み紙に「天狗の詫び証文」の写しとその由来が印刷されている。
 この羊羹は佛現寺でも手に入れることが出来ます。

 以上が伊豆の天狗伝説として有名な佛現寺の天狗の詫び証文についての詳細です。
 解読にチャレンジしたい方は、ためしてはいかがでしょうか。

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