天狗の正体はわからないものですから、昔から様々な人物(?)が、天狗ではないかと論じられてきました。このページでは、天狗と同義語としてとらえられている様々な人物を紹介します。
天魔雄命(須佐之男神の猛気が飛び出して生まれた姫神が元祖でこの姫神の息子)、猿田彦大神(天狗面をした猿田彦命は天狗のもつ神通力にも似た力で、天孫神の案内役としての役割を果したといわれてます)、日羅(聖徳太子の恩師、八天狗の筆頭で全国愛宕社約800社に祭られている愛宕山太郎坊か?)、役小角(修験道の開祖、法起坊と言う狗名がある)カルラ天(インドの神、くちばしをもち、翼によって自由自在に飛行し、衆生の救済をすると言われている)といったところでしょうか。
また、鎌倉時代に山伏の姿を与えられた天狗でしたが、南北朝時代に入ると怨霊が転じて天狗になる、という説がささやかれました。日本最強の怨霊として名高い崇徳上皇も、怨霊を経て天狗になったひとりです。
上田秋成の「雨月物語」にも、崇徳院が「天狗」の眷属三百を率いて西行法師に出会うということが書かれています。
以下の天狗ではないかとされた人々(!?)の詳細をご紹介します。(クリックして詳細ページへお進みください)
しかし、結局のところ、天狗については、様々な説が存在します。以下にいくつかの珍説を紹介します:
山伏=天狗説:
この説は、山で修行をする「山伏」を天狗と同一視したり、山伏が死後に天狗になるといわれていることから来ています。山伏の修行を通じて会得する術や威力などが天狗に置き換えるような考え方から山伏が天狗の姿をモチーフに作られたことも想像できます。
天狗の正体は自然現象説:
天狗は山火事を起こしたり天候を操ったりするとも言われており、人知を超えた現象を起こすと考えられてきました。そのようなことから、天狗の正体は、昔の人が理解ができなかった自然現象なのではないかという説があります。
天狗は実在した妖怪説:
天狗は1400年前に実在した妖怪で、その存在は日本書紀に記載されています5。飛鳥時代(637年)に都の空を突然雷のような尖い音をたて、東から西へと移動する星が現れたと記録されています。その音の正体について「流星の音だ」「地雷だ」などといった意見があった中で、唐から帰国した学僧の旻が「流星ではない。これは天狗である。天狗の吠える声が雷に似ているだけだ」と述べたとされています。
これらの説はあくまで一部の見解であり、天狗の正体については未だに謎が多いです。それぞれの説には一定の根拠がありますが、確定的な証拠は存在していません。天狗の正体については、今後も研究が進められることでしょう。