学ぶ（甲府の歴史、それは信玄公の足跡を追いかけること）

　日本史の戦国時代には圧倒的な強さを誇る武将が複数いましたが、織田信長を最後まで苦しめた人物といえば武田信玄公です。
　武田軍の強さは戦国一ともいわれ、その戦歴を見るとほとんど全戦全勝といっていいでしょう。「甲斐の虎」と呼ばれた信玄は、どのような人物だったのでしょうか。　
　甲府は、武田信玄が生まれ育った土地です。様々な武田信玄公ゆかりの地が残っており、信玄ファン、歴史ファンのみならず多くの人が訪れます。
　そんな甲府を訪れる大人の旅のために、武田氏を中心とする歴史の話を、教科書では教えてくれないちょっとだけ詳しい話を加えて、ご紹介します。

武田氏ゆかりの地を訪ねて

　武田信玄公の誕生の地や館跡、墓地など信玄公のゆかりの地を探訪します。
　実際に１日ですべて回ろうとすると甲府駅の南北に散在するため、車がベスト。タクシーも適宜利用しながら回りましょう。
　コースとしておすすめは、積翠寺ー＞躑躅が崎館ー＞信玄公墓ー＞大泉寺ー＞甲斐善光寺ー＞入明寺。

積翠寺

信玄公の誕生
　武田神社の北北東方向、要害山の南西麓にある積翠寺にて、信虎夫人が信玄公を産んだといわれ、現在も産湯をくんだ井戸や産湯天神が残っています。

躑躅が崎館（武田神社）

信玄公の居城
武田神社 由緒書によれば、御祭神は武田晴信命、甲斐の名将である武田信玄公をまつった神社です。大正天皇の即位に際して信玄公に従三位(じゅうさんみ)が贈られ大正8年（1919）に館跡が武田神社として整備されました。

甲斐善光寺

信玄公の庇護
神仏への信仰が深かった武田信玄公は、川中島合戦の時、戦火が広がり善光寺が荒廃することを危惧し、本尊の阿弥陀如来をはじめ諸仏や寺宝類を甲府に移しました。このことがきっかけで甲府に甲斐善光寺が誕生しました。

大泉寺

信玄公父との別れ
大永元年（1521）、武田信虎が天桂禅長を開山として建てた寺で、信虎の菩提寺。天正2年（1574）3月、放浪の末没した信虎の遺骸をここに埋葬されました。

入明寺

信玄公次男への愛
信玄の次男武田信親「竜宝（芳）」の墓があります。信親は幼少から目を患い、盲目に。半僧半俗となり、「お聖道様」とも呼ばれました。

信玄公墓

信玄公没す
信玄公の遺体を火葬した場所だといわれ、火葬塚とも呼ばれています。風林火山の旗が、武田信玄を連想させてくれます。天正元年（１５７３年）４月１２日、信州伊那駒場(諸説あり）で波乱の人生を閉じた武田信玄、その臨終に際し、自らの死を「３年の間隠せ」と家臣に命じたのでした。