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味わう(大人のためのグルメガイド)

 旬の食材で、美しく、おいしく。

 富士山や南アルプスなど2,000メートル級の山々に囲まれ、県土のおよそ80%が森林という海なし県。
 山が多く、米作りに適した土地が少なかったため、麦を使った粉食文化が発展してきました。また、ブドウやモモに代表される果物の栽培も盛んです。

 海がないのに魚が大好きというユニークな県民性で、マグロの消費量は全国屈指。過去には人口当たりの寿司屋の数が全国1位に輝いたこともあります。
 それゆえに、海がないのに海の幸を使った名物も生まれるなど、バラエティ豊かな料理や食材がそろっています。

 そこで大人旅を続けるあなたには、そんな甲府の名物、郷土料理をぜひ味わっていただきたいのです。

ほうとう

ほうとう

 全国的にも名前が知られている”ほうとう”は、ぜひ食べて頂きたい一品。小麦粉を練った幅広の麺を、野菜や肉などと一緒に煮込んだ山梨のご当地グルメの代表格といえるでしょう。

 具の定番は何といってもカボチャで、「うまいもんだよ、カボチャのほうとう」という言い回しがあるほどです。
 かぼちゃに加え、ねぎやしいたけ、じゃがいもなどを味噌ベースの汁で煮込んだ冬に食べることが多い家庭の味の麺料理です。
 うどんを生麺の状態から煮込むことで、汁にとろみがついて冷めにくいという特徴があります。

 ほうとうの発祥については戦国時代、甲州地方ではお米が貴重であり、武田信玄がそれに代わる陣中食として考案したなど、諸説あるようです。
 県内では、「武田陣中ほうとう祭り」など、イベントが多く開かれ好評を得ています。山梨の家庭では、残った汁を翌朝ご飯にかけて「ほうとう飯」として食べられることもあるようです。
 
 ところで、夏のほうとうは「おざら」と呼ばれ、ゆでた麺を水で冷やし、あたたかいつゆで食べるスタイル。地域によっては「小豆ぼうとう」を食べるところもあり、最近では麺にブドウを練り込んだユニークなものも登場しています。

吉田のうどん

吉田のうどん

「吉田のうどん」とは、主に山梨県富士吉田市を含む郡内地方で食べられている郷土料理です。
 硬く非常にコシが強い麺、ゆでキャベツ、にんじん、ごぼう、油揚げ、馬肉などを具として、味噌と醤油をあわせたつゆが特徴です。
 また、「すりだね」と呼ばれる赤唐辛子ベースの薬味を入れて食べるのも、「吉田のうどん」ならではと言えます。
 2007年農林水産省が各地に伝わるふるさとの味の中から選定した「農山漁村の郷土料理百選」のひとつでもあります。

 そんな「吉田のうどん」ですが、甲府でも食べることができます。甲府にある「吉田のうどん」は、本場の富士吉田よりも麺が固い傾向があるようです。

 吉田のうどんのふるさと、富士吉田市は、富士山麓の標高約650mから850mに市街地を有する高原都市です。年間平均気温は11℃という環境に加え、富士山噴火による溶岩流や火山灰という土壌のため、土地は非常にやせており稲作には不適な地域でした。
 そのため畑作が中心で大麦・小麦・粟・ひえ・とうもろこしなど雑穀類の栽培を行い、それを粉にして水をこね、汁の中に野菜と一緒に煮込んで食べる、「すいとん」を主食としていました。この粉食中心の食生活がうどん文化の基盤となっていると考えられます。山梨県立美術館の常設展では、「種をまく人」で有名なフワンソワ・ミレーの作品を中心に、19世紀のフランスで誕生したバルビゾン派の画家たちの作品や 日本画、油彩画、水彩画などを展示しています。


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