野山に咲く自生のランは、山野草ファンの間でも、特に人気の高い植物といえるでしょう。
日陰に咲く不思議な形の花々には強く惹かれるものがあります。
そんな自生ランの中でも、不思議な生え方をするのが「セッコク」です。
というのもこの「セッコク」は、着生ランなので、なんと樹上の枝や幹に根を張って白い花を咲かせます。
しかも、一度に大量の花を付けると雪景色のようになるのです。その光景はとても神秘的でもあります。
そんなちょっと奇妙で、神秘的な美しさをもった「セッコク」の大群生があるのが、ここ高尾山なのです。
高尾山では、5月下旬から6月中旬にかけてスギの老木の上などに着生し、美しい花を咲かせています。
ケーブルカーの駅構内が一番早く開花し、薬王院、6号路と続きます。 1号路でも6月上旬に見ることができます。
1号路では、麓から登り始め、急坂の手前 小さな橋を渡ったら山頂に向かって左側の高いスギを気を付けてみてみましょう。
6号路では、麓から登り、琵琶滝の先 膝下のロープ柵が崖側に見えたら谷側の高いスギに気を付けてみてみましょう。
そんな山内で見ることができるセッコクの多くは、大木に着生していて、近くでみるのがなかなか大変ですが、ケーブルカー両駅にあるセッコクは、わずか3メートルほどの高さで比較的近くで見ることができますのでおすすめです。
というのも、実はここのセッコクは、元々山頂近くの大木に自生していますが、何年か前に木が倒れてしまったため、ケーブルカーを運営している京王電鉄の社員が移植したものだそうです。
手入れされている木に人工的に着生させたので、他のセッコクとはちょっと違う雰囲気があるようです。
野生のものではないことにも驚きますが、野生の株と両方見たいものです。
なお、ケーブルカーを利用しない人にも見てもらえるので、観察の際はお気軽に駅係員にお声掛けくださいとのことです。
今年(令和5年(2023))は、5月17日頃から、セッコクが咲き出しているのが認められました。