新選組ゆかりの地
井上源三郎資料館
佐藤彦五郎に天然理心流を紹介したのは新選組六番隊長井上源三郎の兄・八王子千人同心だった井上松五郎と考えられています。
「井上源三郎資料館」は、井上松五郎の子孫の方が、2004年に生家の土蔵を改装してオープンした資料館です。
井上松五郎は48歳で病死しましたが、源三郎は1868年1月5日に、鳥羽伏見の戦いで撃たれて戦死しました。
この資料館には天然理心流の三代目宗家である近藤周助より井上源三郎が与えられた「天然理心流剣術免許」や、新選組隊士であり井上源三郎の甥にあたる井上泰助の60代に撮影された写真、源三郎や土方歳三の書状、「誠」の袖章、源三郎が使った天然理心流の木刀などが展示されています。
なかでも威容を保つのは、近藤勇が松五郎に贈呈した名刀「大和守源秀国(やまとのかみみなもとのひでくに)」です。「大和守源秀国」には、井上家の家紋が鞘などについています。
大和守源秀國は新選組を預かっていた会津藩のお抱え刀工なので、土方歳三も同じ大和守源秀圀の刀を戊辰戦争などで使っているそうです。
また、井上源三郎の兄、松五郎が残した千人同心として将軍の上洛に伴い京都へ行き、それから帰宅するまでの出来事などが綴られた記録「文久三年御上洛御供旅記録」は、とても興味深いものです。
松五郎は帰宅するまでの間の出来事や旅の途中で出会ったことをつぶさに書いています。
230年ぶりの将軍の上洛を日野宿の人たちが東海道の藤沢まで見学に来ていたことや、京都では会津藩の侍たちが刀を抜いて警戒していること、仕事の合間をみて土方歳三、近藤勇、弟の源三郎に会ったことなどが書かれています。
展示の品々は、どれも新選組の歴史を知るうえで見逃せないものばかりです。
井上源三郎資料館は、第1・第3日曜日の12:00~16:00のみの開館と短いため訪れる際には注意が必要です。
また、毎年5月に開催される「日野新選組まつり」の日に開館されるほか、特別展示が開催される場合があります。
個人の資料館とはいえ、開館日には、井上源三郎の人気もあり、混雑しているようです。
新選組ゆかりの地情報 | |
---|---|
名称 | 井上源三郎資料館 |
住所 | 東京都日野市日野本町4-11-12 |
アクセス | 日野駅から徒歩で5分0.30km |
営業時間 | 12:00から16:00 毎月第一・第三日曜日のみ開館 |
料金 | 小学生 300円 中学生 300円 大人 500円 |