新選組ゆかりの人々
井上松五郎
井上松五郎は、武蔵国多摩郡日野宿北原に八王子千人同心井上藤左衛門の次男として生まれ、天保15年(1844年)に22歳で家督を継ぎます。
弟は新選組六番隊長の井上源三郎。また、次男の井上泰助も新選組隊士です。
天然理心流近藤周助の弟子となり、弘化2年(1845年)に免許を取得。
文久3年(1863年)に14代目将軍徳川家茂の上洛に先立って出発した浪士組に弟源三郎を送り出し、自らは将軍を警護して上洛。滞京中は、弟が所属する壬生浪士組の同門近藤勇、土方歳三、沖田総司などとも交流があり、その時の日記を書き残している。
京に身寄りのない新選組の相談役として慕われていたようだ。土方歳三が、「新選組が会津藩預かりとなったことに浮かれ、天狗になっている近藤を諌めて欲しい」と相談を持ちかけたというエピソードもある。新選組メンバーにとても信頼されていたことがわかります。
いったん日野宿へ戻り、慶応2年(1866年)に再び八王子千人同心として将軍警護を勤めて大坂へ向かいますが、12月に家茂は死去。長州征伐は中断となります。 明治4年に病死。享年49。
現在井上源三郎資料館を運営しているのは、家を継いだこの松五郎さんの子孫の方です。