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観る(大人のための観光ガイド)

 甲府は、武田信玄や太宰治の歴史がたどれる寺社などが多く、歴史ファンのみならず多くの人が訪れます。
 また美術館やランドマークなどもあり、見どころいっぱいの街です。
 そんな甲府を訪れる大人の旅のために、地元の者しか知らないちょっとだけ詳しい話を加えて、ご紹介します。


まずは外せない定番観光スポット

昇仙峡

 甲府を代表する観光地といえば昇仙峡(しょうせんきょう)でしょう。
 国の特別名勝にも指定されています。
 
 秩父多摩甲斐国立公園内にある御岳昇仙峡は、約4kmにわたって荒川が作り上げた美しい渓谷です。大滝、仙娥滝と、高さ30mクラスの壮麗な滝には圧倒されます。入口に当たる天神森から上流の仙娥滝までの風景は、まさに絶景。

 また、長い年月をかけて自然がつくり出した奇岩を至る所で見ることができますが、それらの岩に、トーフ岩、松茸石、めまい岩などユニークな名前がついており、人々の目を楽しませています。
 中でも約180mもの高さを誇る巨岩の覚円峰は圧倒されるような迫力があります。

 昇仙峡の天神森~能泉間約2kmを結ぶ幌のかかった観光馬車「トテ馬車」は、のんびり揺られながら、奇岩や名勝の眺めをガイド付きで楽しむことができます。

 仙娥滝駅からパノラマ台へはロープウェイがおすすめ。標高1058mのパノラマ台からは、南アルプス、富士山などの眺望が抜群。約15分ほどで登れる弥三郎岳からの眺めも最高です。新緑の春、紅葉の秋が特におすすめです。

 昇仙峡地域は、江戸時代、米がほとんどとれない土地で、このため村人たちは、生活費を稼ぐため、毎日、薪炭を背負っては甲府城下までこれを売りでかけていたそうです。しかし、その山道は険しく、道を踏み外しけがをする者も多かったようです。そこで、天保四年(1833年)、長田円右衛門は、安全な新道を開削することを決意し、難工事に九年の歳月をかけて完成したのでした。この道こそが、現在の観光道路です。そしてこの新道により、仙峡の絶景を人々が知ることになったのでした。夢の松島の先の東屋に長田円右衛門を功績をたたえた顕彰碑が静かに立っており、昇仙峡の絶景を訪ねてこられた方と一緒に眺めているようです。

『長潭橋(ながとろばし)』

 大正14年に竣工したアーチ橋で、建築雑誌にも取り上げられたこともある昇仙峡の玄関口(天神森エリア)として親しまれている歴史的有名な橋です。


 県内には戦前に完成したコンクリートアーチ道路橋が三つありますが、そのうち長潭橋は最も古く「昇仙峡」観光の歴史を語る上で重要な土木遺産です。

『愛の架け橋(あいのかけはし)』

 「愛のかけ橋」と呼ばれるだけあって、カップルで渡ると愛が実るといわれている、人気のスポット。
橋の真ん中から渓流を眺めることができ、とてもきれいな景色です。

 橋は歩いて渡ることができますが、ちょっぴりスリルがあります。


奇岩の数々

 

 

渓谷沿いの見どころは、左側を流れる渓流沿いに次々に現れる奇岩です。
 カメそっくりの亀石から始まり、オットセイ岩や大砲岩、ラクダ石、松茸石、ハマグリ石、トーフ岩など、そのネーミングもユニークです。
 それぞれの岩や石の付近には案内板がありますが、「まさに名前のとおり」という岩から、ちょっとわかりづらいもの、「えっ、どれ?」と角度によってわかりづらいものもあり、宝探しのような気分で、子供にとっても人気のルートです。名前のついていないもありますので、是非、ご自身で名前をつけてみるのもいいでしょう。全部で18種類ある巨石の特徴をつかんだユニークな呼び名は、かつてここを訪れた文人達が名付けたとのこと。
 また、
天にそびえるような猿岩や、大沸岩などは迫力満点です。。

『覚円峰(かくえんぼう)』

昇仙峡 日本一の渓谷美、昇仙峡の主峰と言われている峰。昇仙峡の中でもこの覚円峰は美しさと威厳に満ちたその風貌は見る人を圧倒します。観光写真でもおなじみの雄姿は、数ある奇岩の中でも人気NO1でしょう。
 高さは180m。花崗岩が侵食されて作られました。
 『覚円峰』はその昔 澤庵禅師の弟子覚円が畳が数畳敷ける広さの頂上で修行したと言い伝えられています。


 覚円峰を取り巻く風景が、中国の泰山に似ていることから、ミニ泰山とも称されることがあります。白い岩肌を取り巻く紅葉が、とても美しいビュースポットです。この絶景スポットを最もよくとらえられる正面の場所には「夢の松島」と名付けられています。


『石門(いしもん)』

 巨大な花崗岩に囲まれた石門を見ることができます。迫力ある岩ばかりを見ることが出来る面白いスポットです。

 渓谷の遊歩道の片方は深い荒川の谷、もう片方は岩壁が垂直に立ちはだかっています。

 巨大な花崗岩に囲まれた石門は先端がわずかに離れスリリングな不安定さを満喫できます。写真では、わかりにくいのですが、上の大岩と下の大岩はくっついていないんです。

『仙娥滝(せんがたき)』

 昇仙峡で一番人気、マイナスイオンたっぷりの観光スポットが「仙娥滝」です。
 落差30mのこの滝は地殻変動によって出来たもので、日本の滝百選にも選ばれています。

 仙娥滝の水量は豊富で勢いがあるので広い滝壺が形成され、左右の花崗岩も滑らかに浸蝕されています。

 地殻の断層によってできた高さ30mの壮麗な滝は新緑から紅葉、雪景色と四季にその美しさを装います。
特に秋は岩肌に張り付くように枝を伸ばすカエデやブナ、シダ類が美しく色づき、真っ白な水しぶきや青い滝壺と、美しいコントラストを描き出します。

「仙娥」というのは中国の仙女、(紀元前の書物にもその名が見える)美女嫦娥(じょうが)のことを指します。
 元々仙人だった嫦娥が地上に降り、男と夫婦になった為、不死ではなくなったので、男が西王母からもらった不死の妙 薬を嫦娥が盗み飲み、月へと逃げ込み蝦蟇になったという。この嫦娥のことを仙娥といい月神や月の化身に例えられます。

 なお、仙娥滝に向かうあなたの後ろには「昇仙峡が国名勝として指定が決定した」記念碑が建っています。正12年(1923年)3月に内務大臣指定との銘が打たれています。大正天皇の摂政を務めていた皇太子(後の昭和天皇)の行啓時に、「昇仙峡は全国一のすばらしい渓谷である。同行の記者団にそのように伝えよ。」とお言葉を述べられました。なんとその2ヶ月後の12月16日には、国の名勝として指定されており、その3か月後にはこの碑がたったわけですね

『大滝(おおたき)』

 昇仙峡からすぐ近く荒川ダムの先にある「板敷渓谷」は、昇仙峡の隠れたパワースポットで、華麗な幻の滝と呼ばれている「大滝」のほか数多くの滝があります。

 専用の駐車場があり、そこから400メートルほど歩くと入口の看板があるので、そこを下っていきます。
 最初に見えてくるのが、橋の下を流れる10メートルほどの白髪滝です。さらにそこから15分程歩くと、落差約30メートルの華麗な大滝に出合えます。

昇仙峡ロープウェイ

  昇仙峡ロープウェイは、昭和39年(1964年)11月1日に運行を開始しました。
 乗り場から山頂のパノラマ台駅まで片道5分の空遊散歩が楽しめます。
 頂上のパノラマ台までのロープウェイは、約20分間隔で運行。
 昇って下りるまで最短30分という手軽さからも観光客を中心に人気を集めています。
 ゴンドラの前後にロープウェイの人気キャラクター「福仙人」が描かれています。福ちゃん(オス・1号器)、ゆめちゃん(メス・2号器)です。

 標高1058mのパノラマ台から甲府盆地を眼下に富士山,南アルプス,金峰山など360度の大展望はまさに絶景です。
 ロープウェイ終点から、弥三郎岳に登ることができます。15-20分くらいの登山で、途中見晴らしの良い展望台を通ります。頂上にはお食事処もありますので絶景を眺めながらの休憩も可能です。
 また、両乗り場の売店にはお札を用いて作ったというオリジナルの和紙袋が金運アップのご利益があるという縁起物としてお土産の中でもひときわ人気を集めています。

 昇仙峡ロープウェイ仙娥滝駅から仙娥滝までの間は、昇仙峡の定番土産物「水晶」を販売する店舗が数多くあります。中には、職人さんの工房の見学ができたりミニ博物館を併設していたりする店舗もあります。
 
営業時間:4月~11月 8:30~17:30
     12月~3月 9:00~16:30



詳細情報
名称 昇仙峡
住所 甲府市猪狩町441
アクセス 中央道甲府昭和ICから車でで40分
甲府駅南口バスターミナル3番乗降口から昇仙峡行きのバス
昇仙峡口(30分)570円/天神森(30分)570円/グリーンライン(40分)800円/滝上(60分)870円
路線バスの詳細情報は 山梨交通 にご確認ください。
所要時間 40分



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