大人のための博物館・美術館めぐり
山梨県立美術館
山梨県立美術館は、山梨県甲府市貢川の「芸術の森公園」内にあります。
山梨県は元々文化施設が未整備だったことから「文化不毛の地」と呼ばれていました。
そうした悪評を覆すため、当時山梨県知事だった田邊圀男氏が美術館の設置事業に着手したのです。また、置県100周年記念事業として19世紀のフランス画家ミレーの代表作「種をまく人」を購入したことを皮切りに、ミレーやバルビゾン派の画家、ヨーロッパの主要な風景画家、ならびに山梨ゆかりの作家や日本の近現代作家の作品収集に力を注いでいます。
1978年11月3日のオープン以降、国内にある美術館の中でも来館者が多い美術館として知られています。
常設展示室には 《種をまく人》《落ち穂拾い、夏》に代表されるミレー作品。テオドール・ルソー、ドービニーなどのバルビゾン派、ターナー、コロー、クールベ、シャガール、藤田嗣治、梅原龍三郎、福澤一郎、池田龍雄など国内外の様々な優れた作品を展示しています。
ミレーやコロー、ルソーといったバルビゾン派を主に紹介する「ミレー館」の第1室では「種をまく人」や「落ち穂拾い」といった有名なミレーの作品が展示されているだけでなく、彼の生涯や作品についても深く学ぶことができます。
山梨県立美術館が所蔵するミレー作品の数は70作以上にもおよび、世界でも有数の収蔵量を誇っているのです。
このほか、望月春江や近藤浩一路など山梨ゆかりの作家や日本近現代の重要な作家を多彩なテーマで紹介する「テーマ展示室」、版画作品で知られる萩原英雄の作品や蒐集品を紹介する「萩原英雄記念室」の3室があります。
所蔵品の総点数は現在約1万点にもおよびますが、すべて常時公開されているわけではなく、作品保護の観点から年4回行われる展示替えを通して、入れ替えを行いながら展示しているのです。
また、特にミレーコレクションの所蔵点数の多さから、最近では国外の美術館から出品依頼も多くなっているようです。
また、1978年7月に完成した山梨県立美術館の建築設計は、日本を代表する建築家であり、モダニズム建築の旗手といわれ、ル・コルビュジェに師事した前川國男によるものです。
公園内にはロダン、へンリー・ムアやブールデル、ザッキン、マイヨールなどの彫刻が置かれ、四季折々の美しい表情を見せています。
自然豊かな場所にあるので、ゆったりとした時間を過ごしたい時におすすめです。
また、鑑賞後は、ぜひレストランの「Art Archives」に立ち寄ってみてください。人気メニューは、富士農場で育てたさくら卵を使用した「ふわふわ卵のオムライス」です。
また、ミレーの作品である”種をまく人”を描いたドリアを食べることができます。
詳細情報 | |
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名称 | 山梨県立美術館 |
住所 | 〒400-0065 山梨県甲府市貢川1丁目4−27 |
アクセス | JR中央線甲府駅南口より「(御勅使・竜王駅経由)敷島営業所」「(大草経由)韮崎駅」「貢川団地」行きバス15分「山梨県立美術館」前下車すぐ |
開館時間 | 9:00-17:00(入館は16:30まで) 休館日(月曜日(祝日の場合はその翌日)、祝日の翌日(日曜日の場合は開館)、年末年始、その他臨時開館・休館あり |
入場料 | 美術館(コレクション展)文学館(常設展)共通券 680円 |